≪2025年度活動総括(案)≫ (書記長大橋作成・提出)
第1 現状認識
1 コミュニティ・ユニオン全体について
コミュニティ・ユニオンの運動は、1980年代から始まり、1989年から全国交流集会が始まり、1990年に全国ネットワークが結成され、急速に広がっていった。その背景には、総評解体と連合発足による集団的労使関係の弱体化、非正規労働者の急増、終身雇用の形骸化や労働条件の個別化などがあった。コミュニティ・ユニオンの主な組織対象は、労働組合のない中小企業労働者や、企業内組合から排除された非正規労働者、中間管理職などであった。
一時は新しい労働運動として注目を浴びたコミュニティ・ユニオン運動だが、大衆運動としての広がりを持つことはできなかった。東京東部労組や札幌地域労組など例外もあるが、少なくとも関西のコミュニティ・ユニオンについていえば、いわゆる駆け込み相談への対応が中心であり、主に個別労使紛争の解決に終始してきたというのが実情である。その原因は、大きくは労働組合に対する無関心と冷淡さという社会的風潮を背景としつつ、派遣労働者をはじめとする非正規労働者の急増と労働条件個別化も相俟って労働者の分断深化に対抗できなかったこと、併せて、新規の組合加入者が、職場の労働条件の改善を求めるのではなく、「自分を助けてほしい」と求める人がほとんどであったこと、また、職場で人望を集めている人、つまり職場で組織化を進めていけるタイプの人は少なく、職場で孤立させられている人が過半を占めていたこと等が考えられる。
そのため、一旦加入した組合員も、問題が解決すれば退会する人が多く、義理で残った人も職場活動を展開して複数化・拠点化していった例は極少数にとどまる。その結果、ユニオンの活動はいわばプロ化した専従が飛び込み相談に対応して団交等を行うのが主であり、運営も専従がほぼ担うということになってしまっている。つまり、実態としては専従の個人商店になってしまっているのである。
そして、労働審判や行政によるあっせんなど、個別労使紛争解決のための制度が社会的に整備されていく中で、コミュニティ・ユニオンはその役割を低下させており、停滞状況に陥っている。これに加え、大衆的基盤を持つことができなかったこと、実態としては専従の個人商店でしかないことが大きな原因となり、現在多くのコミュニティ・ユニオンは財政難・後継者難に突き当たっている。これまでも創設者である専従等が低報酬で自己犠牲的に活動することで支えてきた面があるが、コミュニティ・ユニオン運動の停滞の中で、財政状況はより一層逼迫し、後継者もいないまま、存続の危機に立たされているユニオンが少なくない。
2 管理職ユニオン・関西について
管理職ユニオン・関西は、コミュニティ・ユニオン運動が全国的に広がっていく中、中間管理職を主な組織対象として、1997年に結成された。結成の時期は、多くの会社で人事制度の大幅な改変が行われ、中間管理職の大量リストラが始まった時であり、組合員は急速に増えた。最盛期には約300名の組合員がおり、3名の専従を抱え、活動も活発に展開し、事務所にも活気があふれている状況であった。
しかし、管理職ユニオン・関西もまた、コミュニティ・ユニオンの停滞の例外ではあり得なかった。ここ10年ほど組合員数は傾向的に減少しており、今では80名ほどとなっている。その原因は、上記コミュニティ・ユニオンに共通する問題の他、管理職ユニオン・関西の特殊な問題として、中間管理職の大量リストラが一段落したという状況、中間管理職という階層の問題(職場活動や組織化の難しさ)、それとも関連して中高年齢の組合員が多いという事情(とりわけここ数年定年等により退職して組合も退会する人が増えている)がある。この他、後継の失敗とそれを巡るトラブルが影響を与えている。かつて書記長であった大濱氏はメンタル不調によりリタイアし、村上氏を巡っては数年にわたって紛争となり、寺尾氏についても後継はできなかった。さらに、昨年度の定期大会では、大橋を排除するために不正・強引な大会運営が強行され、それまでの執行部を含む多くの組合員が脱退するに至った。仲村氏の独裁的・独善的な運営がもたらしたゴタゴタが組合員数の減少に拍車をかけてきたのである。さらに言えば、組合員数の減少にとどまらず、活動力はそれに輪をかけて低下しているのが実情である。昨年の定期大会での仲村氏の動きに嫌気がさして、これまで10年以上にわたって組合を支えてきた元執行部の大半が組合を脱退した影響も大きい。紛争状態にある会社に対する街宣すらもほとんどできなくなっており、仮にできたとしても組合員の結集を図ることができず、少人数でやらざるを得ない状態である。
これに加え、組合の量的・質的低下を他の組合からの応援で補うことも現状ではほぼできなくなっている。仲村氏が管理職ユニオン・関西委員長との肩書で連帯ユニオン関生支部と武氏の紛争に介入したことで、管理職ユニオン・関西は大阪の労働運動の中で孤立を深めている。
第2 活動総括
以上の現状認識を踏まえ、管理職ユニオン・関西の2026年度方針を検討するにあたって、全体としての方向性についての総括に加え、以下の5点についての総括は不可欠だと考える。①組合員数の傾向的減少、②仲村氏の高齢化と後継者不在、③組合としての力の低下、④他労組からの孤立、⑤組合としての正統性の喪失の5点である。
1 全体としての方向性について
昨年の定期大会で、仲村氏は管理職ユニオン・関西として元連帯ユニオン関西地区生コン支部の委員長であった武建一氏の支援する方向を打ち出し、これに反対する者を排除した。その結果、元執行部の大半や少なからぬ組合員が管理職ユニオン・関西を脱退することになった。また、他労組の内部紛争に手を突っ込み引っ掻き回す仲村氏のやり方は大阪の多くの労働組合の反発を買い、おおさかユニオンネットワーク(全港湾、全労協、連帯の他、多くの組合が結集)から絶縁されたほか、コミュニティ・ユニオン関西ネットワークでも居場所のない状態となっている。
昨年の定期大会以降、仲村氏は管理職ユニオン・関西の武建一氏のグループとの一体化を進め、組合事務所には武建一氏が関わる団体が常駐するようになった。仲村氏は、来る定期大会において、管理職ユニオン・関西を武建一氏が作ったオールジャパン労働組合に団体加盟させようとする可能性が高い。事実上、武建一氏の傘下に入るということである。ちなみに、オールジャパン労働組合は、ホームページもなく、機関紙も発行しておらず、具体的な労働現場での活動については聞いたことがない。私としては、武建一氏の飾りでしかなく、実態としては機能していないのではないかと考えている。管理職ユニオン・関西が団体として加盟する意味は、仲村氏の面子を立てるということ以外にない。
こうした方向の行きつく先は、管理職ユニオン・関西の一層の衰退と他労組からの孤立の深化でしかない。
2 組合員数の傾向的減少
上記の通り、組合員数の傾向的減少が続いている。管理職ユニオン・関西の最盛期では、組合員数400名と公表していた。実際には300人前後だったようだが、専従も仲村氏の他、大濱氏と村上氏がおり、夜になると組合員が入れ代わり立ち代わり組合事務所にやってきて互いに話をしたり、相談をしたりと、活気にあふれていた。毎週金曜日の夜には組合員の懇親会があり、10数人が集まっていた。
その後、書記長であった大濱氏が病気で倒れ、書記長を交代した村上氏が仲村氏と対立して追い出され、新たに書記長として迎え入れた寺尾氏も仲村氏のお眼鏡にかなわず退任・退会するなどのゴタゴタが続き、組合員数は減少の一途をたどった。昨年の定期大会の時点で組合員数は盛時の1/3、100名ほどになってしまったのである。それに伴い、組合員が組合事務所に集うことも少なくなった。それでも、数名は常時組合事務所にいて、夜には組合員がビール片手に組合事務所に立ち寄るということがそれなりにあった。さらに、昨年の定期大会以降、元々の執行部の人たちが大量に脱退するなどし、今年5月の段階では組合員数は80名ほどにまで減少した。今では、仲村氏が一人ポツンと仕事をしているか、武建一氏の周辺で動いている人が1~2人いるだけで、閑散としているようである。
組合員数の傾向的減少に対し、元の執行部は昨年の定期大会で「コミュニティ・ユニオン運動としての基本を維持しつつ、縮小傾向に歯止めをかけていくこと、主に他のコミュニティ・ユニオンとの連携の回復と強化によって縮小傾向を補っていくことを目指すべきである」との方針を提案した。縮小傾向は避けられないとの前提の下で、組合を維持していく方針を提案したのである。
一方、仲村氏は、「新しい分会、支部の立ち上げを検討する」、「職場での組合員獲得」、「生コン関連労働者の組織化活動を進める」といった方針案を提案した。しかし、「新しい分会、支部の立ち上げ」や「職場での組合員獲得」という方針は多少表現を代えつつ10年以上掲げ続けて、実際には成果が出ていない。いわば実効性のないお題目に過ぎない。「生コン関連労働者の組織化」に手を付けたという話も聞かないし、ノウハウも実績もない管理職ユニオン・関西が生コン関連労働者を組織化するのは困難だろう。つまるところ、仲村氏は、組合員数の傾向的減少に対し具体的な対応策など持ち合わせておらず、実効性のないお題目を並べて誤魔化したに過ぎない。さらに言えば、減少傾向に歯止めをかけるために昨年度まで行っていた組合宣伝ティッシュ配布なども全くやっていないのではないか。
大橋は現在排除されているため、現在の組合員数が何人なのか把握できない。しかし、おそらく横ばいか、減少しているのではないかと考えている。最低でも100名程度の組合員がいなければ組合を維持していくことは困難なので、80名程度では先はない。来る大会でさらに減少しているのなら、崖っぷちまで来ているというほかない。
3 仲村氏の高齢化と後継社不在
本人自身が公言していることなので、特に伏せる必要はないと考えるが、仲村氏はすでに77歳か78歳であり、あと数年で80歳になる。体力・知力とも衰えは避けられない。私自身、数年前に仲村氏と一緒に団体交渉を行ったことがあったが、難しい交渉は無理ではないかとの印象を受けている。実際、大橋は管理職ユニオン・関西の複数の組合員から仲村氏の対応について不満を聞いている。その内容は、きちんと話を聞いてもらえない、提供した資料をちゃんと読んでもらえない、団体交渉も勢いだけで論理的な組み立てがない等々である。こうした事情のため、他労組に転籍した人もいる。まともな団体交渉をできなくなるのは時間の問題だと考える。
こうした状況を踏まえ、元の執行部は昨年の定期大会で「基本的に、仲村氏から大橋への後継を進めていく。大橋が、新規案件の担当、機関紙の編集・発行・ホームページへのアップ、名簿管理その他、従来書記長が行っていた職務を行う。仲村氏には、継続案件を担当してもらうことになる。」との方針を提案した。
これに対し、仲村氏は「後継者問題について、後継役職専従として来年2025年11月の定期大会までに組織内外から候補者(50才まで)を選び、働きながら候補者活動を最低1年程度はしてもらいます。その実績の上、執行委員会で最終決定します。」との方針案を提案した。しかし、仲村氏は15年以上前から自分の後継者を作ると言い続け、実際には失敗し続けてきた。O氏しかり、M氏しかり、T氏しかり、大橋しかりである。組合に勢いがあった時期ですら、15年以上にわたって後継体制を作れなかったのが事実である。まして、組合の衰退が著しい中で、1年で都合よく後継者候補が見つかるとは到底考えられない。仲村氏の方針案というのは、結局のところ、何の裏付けも根拠もない戯言でしかない。上記の通り、大橋は現在排除されているため、組合の状況を正確にはつかめないが、おそらく次の定期大会でも後継者候補の名前は上がってこないのではないかと考えている。
この状態が続けば、管理職ユニオン・関西では、あと数年でまともな団体交渉すらできなくなる可能性がある。組合の看板だけは掲げていても、実態は機能停止に陥らざるを得ない危機に直面している。もちろん、組合員数の減少にも拍車がかかるだろう。
4 組合としての行動力の低下
組合としての力を端的に示すのは、その行動力である。大橋が関わっている関西ゼネラル支部では概ね週3回~4回程度、年間では150回以上の街宣行動を行っている。大阪、京都で活発に動いている他のコミュニティ・ユニオンでも、大橋の把握している限りで、最低でも月1回以上の街宣行動などを行っている。一方、管理職ユニオン・関西の状況はどうであろうか? 機関誌に掲載されていたのは、1年間を通して1回、しかも数人程度での街宣行動だけだったかと記憶している。機関紙に載せていない行動があるとしても、1年間で2~3回を超えることはないだろう。これが管理職ユニオン・関西の現状であり、組合としての力の低下が著しい。行動できない組合になってしまっているのが実情である。大きく見れば、上述の通り組合員数の傾向的減少に歯止めがかからず、そのことが組合としての力の低下を招いてきたと言える。しかし、決定的だったのは、元の執行部を始め長年にわたって組合を支えてきた組合員が、昨年の定期大会での仲村氏の独善的・独裁的な対応に失望して、大量に脱退したことである。これによって、組合としての力は一気に低下した。
組合としての力の低下は、交渉力の低下と直結している。団体交渉は所詮密室での話し合いに過ぎない。組合の要求を会社に真剣に検討させるためには、交渉テクニックだけでは不十分である。会社はどんな不合理なことであろうと、密室での話し合いであれば押し通してくることがある。会社は、交渉が決裂した場合のリスク(ストライキや街宣行動など)がない限り、組合に真剣に向き合わないことが少なくないのである。
前述のように、仲村氏の高齢化に伴い交渉テクニックも劣化の一途をたどっており、さらに交渉力の背景となる行動力もないとすれば、会社にとって管理職ユニオン・関西は何の脅威でもない。労働組合法で団体交渉応諾義務が定められているから、形式上団体交渉には応じるだろうが、まともに取り合う必要もない人畜無害なものでしかなくなるだろう。
5 他労組からの孤立
もっとも、組合としての行動力の低下は管理職ユニオン・関西に限ったことではない。管理職ユニオン・関西ほど極端に行動力を低下させていないとしても、多くの組合が行動力を低下させているのも事実である。こうした状況を踏まえ、組合の枠を超えた相互支援によって、行動力の低下を補う取組が強化されてきた。
おおさかユニオンネットワークでは、毎年春闘総行動と銘打って、争議中の組合の行動支援が行われてきた。昨年は、この他、医療介護職場での争議支援のための総行動や、秋季にも総行動が実施された。年に数回、概ね50名から100名もの人数で、争議中の職場に出向き、街宣や申入れ行動を行い、争議中の会社に対してプレッシャーをかけてきたのである。また、コミュティ・ユニオン関西ネットワークでも、節目となる行動では活発に争議支援を行ってきた。
しかし、上述の通り、管理職ユニオン・関西はおおさかユニオンネットワークから絶縁されている状態であり、コミュニティ・ユニオン関西ネットワークの中にも居場所はない。管理職ユニオン・関西の抱える争議への支援は全く望めない状態である。
管理職ユニオン・関西は、独力で行動を行う力を失ったばかりか、他労組からの支援も望めなくなっているのが実情である。
6 組合としての正統性の喪失
大橋は、昨年11月23日の定期大会について、2号議案(2024年度活動総括案・2025年度活動方針案、2025年度予算案)の決議の不存在、4号議案(2025年度役員選任)の決議の不存在、書記長としての地位確認などを求めて仮処分の申し立てを行ったが、今年6月13日大阪地方裁判所第5民亊部において決定が出た。決定にかかる判断の概要は以下の通りである。
① 2024年11月16日の執行委員会で加入を認めないと決議した者は、「組合員でない者と言わざるを得ない」。
② 2号議案(活動総括・方針案、予算案)については、「組合員でない者が決議に参加した瑕疵は重大であり、法的に大会決議と評価できないから、決議は不存在というべきである。」
③ 4号議案(役員選任)については、「2号議案の決議を前提に役員・執行委員会を選任するものであり、2号議案に係る決議が不存在である以上、4号議案に係る決議も不存在というべきである。」
④ 「組合規約において、書記長の任期及び委任期間はいずれも『次期大会』までとされているところ(組合規約25条、25条の2)、前記(1)のとおり、本件各決議が不存在である以上、書記長の任期及び役員専従の任期は満了していないというべきである。/そうすると債権者(大橋)は、なお書記長の地位にあり、かつ、月15万円の専従費の支給を求めることができる。」
しかし、仲村氏は未だにこの決定に従わず、大橋を排除し続けている。すなわち、今の管理職ユニオン・関西は、裁判所の決定に反した状態を続けており、当然組合規約にも反した状態を続けていることになる。このことは、管理職ユニオン・関西が労働組合法によって保護された労働組合であることに疑義を生じさせるものとなっている。つまり、団体交渉権や、行動その他に対する刑事免責・民事免責が適用されるかについても疑義が生じることになる。そして、このことは、組合員の立場も極めて不安定な状態に置くことになる。
会社が、管理職ユニオン・関西の相手をすることを面倒くさがって、取るに足らない解決金の支払いなどで手を打ってくる場合はさして問題にはならないだろう。労働委員会のレベルなら、形式的な書面審査中心なので、労働組合としての資格が認められないということは考えにくい。
しかし、会社が真っ向から対決してくる場合は別である。裁判所は、労働組合としての実体があるか否かについて実体審査の上で判断する。裁判所において、管理職ユニオン・関西が労働組合法によって保護される労働組合に該当しないと判断される可能性はあり、団体交渉権が認められなかったり、行動その他に対する刑事免責・民事免責が不適用となる可能性は否定できない。
管理職ユニオン・関西の存在そのものを脅かす問題であり、到底看過できない問題であることを認識すべきである。
7 まとめ
以上のとおり、管理職ユニオン・関西は急速に衰退しており、後数年後には看板だけの実体のない組合になってしまう恐れがある。その直接の原因は、仲村氏が昨年の定期大会で誤った方針をゴリ押しし、反対する者を排除したことにある。誤りは直ちに改めるべきである。

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